こんにちは! 長野での就農を目指しているじゅん(@junichi_aikawa)です。
昨今、地方を取材対象としたテレビ番組なども多く放送されており、改めて地方での生活や農家としての生き方などに注目が集まっていますよね。
更にコロナウィルスの問題は現代社会の人としての生き方にまで疑問を投げかけているように感じます。
本当に人間らしい生き方って何でしょう?
自分は、その答えを農業や、それ以外でも個で稼ぐという事にあるのではないか?と考えております。
この記事では本気で農業を始めたいと考えている農業未経験の人にどのようにすれば農業を始める事が出来るかを紹介いたします。
脱サラして農業を始めると一口で言っても、どうすれば良いかわかりませんよね?
この記事を読むと具体的には
- 農業に必要な資格
- 農業を始めるための土地の取得
- 農業を始める方法とその選択筋
- 選択筋別のメリット、デメリット
などの情報が得られます。
本気で就農を目指す方にとって有益な情報を提供する事を目指しております。
一緒に日本の農業を盛り上げてきましょう!!
未経験でも農業を始めることは出来ます
さて、いきなりですが農業は未経験でも始めることが出来ます。
極端な話、誰でも明日から農家をやりますといえば、農家になれるのです。
それは資格が要らないからです。
詳しくは下記で述べます。
資格のいる職業
例えば農業以外の他の職業はどうでしょうか?
飲食業をやろうと思ったら食品衛生責任者と防火管理者の資格が必要です。
整体師なども国家資格が2種類あり、その資格を取得しないと開業出来ません。
以下のような職業は資格が必要です。
- 弁護士、弁理士や税理士
- 社会保険労務士
- 行政書士、司法書士
- 中小企業診断士、
- 公認会計士
- 不動産鑑定士、土地家屋調査士、宅地建物取引士
- あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師
- 飲食業全般
- タクシードライバー
弁護士などは当たり前のようですが、その他の職業もその多くは資格が必要です。
農業以外で資格の要らない職業
一方、独立開業するのに特に資格のいらない職業もあります。
技術的な習得は別として、以下の職業などは特別な資格は必要のない職業です。
昨今の働き方の変革を反映してネットを介したビジネスが多いように感じますね。
- 大工
- ハウスクリーニング
- ネイルサロン
- 塾講師、家庭教師
- 便利屋
- コンビニ店、クリーニング店などのフランチャイズ経営
- ウェブライター
- プログラマー
- ユーチューバー
- ネットショップ
農業を始めるのに資格は必要ない
日本で農業を始めるために特別な資格は必要ありません。
勿論、あるに越した事はない資格はありますが、必須ではないという意味です。
あった方が良い資格はいくつかあります。
- マニュアル普通免許
- 大型特殊車両
- 有機野菜や無農薬栽培をしたい場合は有機JAS認定が必要です
特に普通免許に関しては、必須ですね。
しかし、普通免許以外の資格は、農業を始めてから必要に応じて取得を検討しても良いでしょう。
また普通免許はMTが良いです。
最近でこそ軽トラックもATが出てきていますが、中古含めて圧倒的にMTが多いですので選択筋を増やすためにもMTでの普通免許を持っている方が良いでしょう。
(農道など荒れた道や山道などはMTの方がパワーが出て良い)
またトラクターなどもMTがほとんどです。(AT免許でも資格としては運転は可能)
他にも草刈り機使用の資格(使うのに必要はないがあればケガをした時に保険がおります)やチェーンソーなどの資格もあるにはありますが、やはり必須ではありません。
興味があれば将来就農後に検討しましょう。
極端な話ですが普通免許すらなくても農業をやろうと思えばやれます。
日本で農業を始めるために特別な資格は必要ありませんとは、そういう事です。
農業を始めるための土地は誰でも取得出来る
土地に関しても条件をクリアすれば取得は可能です。
これも資格は必要ないです。
(注:ただし農地は普通の土地と違いお金を払えば取得出来るわけではありません。)
その条件は農地法3条に定められております。
農地法3条とは 「農地又は採草放牧地について所有権を移転し、又は地上権、小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移転する場合には、政令で定めるところにより、当事者が農業委員会の許可を受けなければならない。」 と規定しています
WIKIBOOKS
なんか法律ってわざとじゃないか?と思えるほど難しく書いてありますよね。
簡単に言うと農地を取得するには農業委員会の許可が必要ですよという事です。
また同3条2項には取得を出来ない7つの条件が記載されております。
逆に言うと、この7つに当たらなければ取得は可能という事です。
ここでは噛み砕いて取得するための条件に簡単にまとめ直します。
(7つの条件に当たらないためには?)
- 取得した農地で耕作をすること(農業以外の目的での使用はNG)
- 農業経営に必要な農作業に常時(年間150日以上目安)従事すること
- 取得後の農地の面積が市町村の定める面積以上であること(原則50アール、北海道は例外で2ヘクタール)
- 事業内容、住居や規模等からみて効率的な農地利用ができると認められること
要するに農地を取得するには、その農地でしっかりと農業をやる気のある人でないと農地の取得はダメですよ!という事です。
このサイトにご興味のある方は概ね、農業を志していらっしゃる方々だと思いますので、農地の取得に関しての法律上の問題はないという事をお伝えいたします。
唯一問題となる可能性があるのは小規模での農業(50アール未満)をやりたい場合や、専業ではなく兼業でやりたい場合(農作業従事日数の条件)などに条件でひっかかる場合があります。
実際には就農希望地域において定められたルールなどもありますので、地域の農業委員会に相談をするのが良いでしょう。
また農業をやるのには必ずしも農地を取得する必要はなく、借りる事も出来ますので、地域の事情、経営方針や規模、予算などに合わせて検討しましょう。
未経験から農業を始める選択筋は?
農業をやるのに資格はいらないこと、土地は取得可能とわかりました。
次に未経験から農業を始める場合の方法について説明いたします。
いくつかの選択筋がありますので、ここでは主要なものについてご紹介いたします。
尚、家が農家で親の農業を引き継ぐ場合については除かせていただきます。
ただし、以下の5つの方法は親の農業を引き継ぐ場合でも参考にはなると思います。
- 自分で始める
- 農業大学に入って学ぶ
- 農業大学校に通う
- 農業法人に就職する
- 里親制度等を利用して弟子入りする
自分で農業を始める
- 自分の好きなように自由に出来る
- マイペースで技術や販売をやっていける
- 栽培技術を自分で身につけるのは困難
- 支援なしでの農地取得もしくは賃借はハードルが非常に高い
- 販売先の確保が難しい
- 地域へ馴染むためには自分で努力する必要がある
ここで自分で始めるとは基本的には誰の手も借りずに農業をスタートすると定義いたします。
正直この方法はオススメいたしません。
このサイトをご覧いただいている方は、農業を始めるにあたり、既に何かしらの知識を得よう、力を借りようと思われていると思います。
なので、ある程度蓄えがあり、人に教わりながらやるなんて絶対嫌だ、必要はない!
全部自分で自由にやるんだ!
という考えの方で信念があるのであれば挑戦するのも良いかもしれません。
ただし、どちらかというと自給的な考えの持ち主か、もしくは他にしっかりとした収入がありコツコツ自分で、それこそ副業のような感じでチャレンジしていきたいという人向けでしょうか。
普通に農家を目指すのであれば他にもっと良い方法があります。
また農業をやるからには人や地域との関係性を絶ってやるというのは非常に難しいです。
(都会で普通に生活するよりも、より密着した関係性が求められることが多いです。)
農業は一人でもくもくと人と関わらずに出来る仕事というのは幻想です。
(作業は一人で黙々と出来ます)
厳しい言い方かもしれませんが、そのような人はそもそも農業には向いていないようにも思います。
農業大学に入学して農学部で学ぶ
- 農業に関しての作物の体系を学べる
- 品種改良など農学の専門的な研究が出来る
- 同級生が出来るので共に学べ、人生の友と出会う事も?
- 現場で就農をする人向けではなく農学を学ぶところ
- 実践的な農業技術を学ぶ事は出来ない
- 費用が高い(後述する農業大学校より高額)
- 入学試験があるので受験勉強が必要
- 農業を学べる大学は数が限られている
- 就農したい場合は結局この中の他の選択筋から選ぶ必要がある
農業大学で学ぶというのは、就農をしたいと考えている人には少し違うかなと思います。
ただ農学を体系的に学ぶことは、もちろん意味のない事ではありません。
まずは座学でしっかりと学び、その後、他の研修機関などを通じて実践的な農業技術などを学べば最強になると思います。
時間的余裕のある若い人が将来就農を目指すにあたっての選択筋としては大いにありだと思います。
ただし、どちらかというと食品、化学品、種苗や農薬などの関連業界に就職したい人向けと捉えるのが一般的です。
農業大学校に入って学ぶ
- 自治体の担い手育成事業の一環で青年就農給付金などの公的支援を受けられる
- 短期間(基本2年制)で農業生産の実践的技術や経営に特化した学びが得られる
- 資格の取得支援がある
- 同級生が出来るので共に学べ、人生の友と出会う事も?
- 学校の先生も農業普及指導センターなどの普及員となる事もあり、就農後も身近な存在として相談できる
- 全国各地に40以上の大学校がある
- 費用がかかる(ただし、大学の学費よりは安く、奨学金も利用可)
- 寮生活が基本(通学は困難)
- あくまで勉強、実習の場であるので、後述する里親の元での研修よりは実践的とは言えない
農業大学校は農業大学とは違い、農業の専門学校です。
農業大学校は農業の専門学校で概ね1~2年程度で農業技術や経営などについて学ぶことができます。
短期間の研修過程などを設ける機関もあり、そのような短期の研修は働きながら学ぶ事もできますが、あくまで既に就農をしている人への補助的な研修です。
実際に就農を目指す場合は1~2年の課程を申し込むのが基本です。
農業大学校のメリットは何といってもみんなで実習を通じて学べるというところにあると思います。
同じ志を持つ仲間とお互いに高め合いながら学ぶというのは何にも増して得難い体験になります。
気になる方はオープンキャンパスや学園祭等を催しているところがありますので足を運んでみると雰囲気などいろいろな情報が得られると思います。
農業系法人に就職をして始める
オススメ度 ★★★★☆
- 通常の就職や転職と変わらない
- 給料制で収入がある
- 休日がしっかりと設定されている
- 厚生年金に加入出来る
- 栽培だけでなく農業経営や市場の仕組みについても学べる
- 人脈が出来る
- 雇用ですので個人でやるより自由が制限される
- 希望の野菜を栽培出来るとは限らない
- 総合的に野菜栽培に関われるとは限らず、単純作業の繰り返しとなる可能性がある
- 法人によっては上記のGoodポイントがないところもある
- 年齢による入社制限を設けているところが多い
簡単というと語弊がありますが、未経験から農業を始めるのに一番とっつきやすいのが農業法人への就職です。
通常の就職や転職活動と変わらず、自分の良いと思う農業法人を探して応募するだけです。
当然、面接等もありますが、これは通常の企業でも変わらないですよね。
最近では楽天などの大手企業も参入を開始しておりますので、そういった企業であれば福利厚生などもあり安心感、安定性は抜群ですよね。
勿論、就職ですので雇用契約がありますので個人でやるよりは自由は制限されます。
就業時間の規則などもあるでしょうし、社会人として当然ですが休む場合等は連絡が必要です。
上司もいるでしょう。
いきなり自分で農業を始めるのは不安だけど、普通にサラリーマンはやりたくはない、自然や農業と関われる仕事をしたいという人にはおすすめの方法かなと思います。
里親制度を利用して農業を始める
オススメ度 ★★★★★
- 実際に農業で生計を立てている農家のノウハウを直接学ぶ事が出来る
- 栽培技術だけでなく、独立後の販売先の確保などの支援も得られる
- 家、土地や農機の確保についても支援がある
- 里親がメンターとして就農後も相談/サポートをしてくれる
- 自治体や地元のJAとも連携しているので地域に馴染みやすい
- 研修中は国の給付金制度以外、収入が無い
- 給付金をもらった場合で就農しない場合は返還義務がある
- 里親によって技術や販売先の広さなどその能力に違いがある
- 里親の人と合わない場合がある
各自治体では、農家子弟以外の新規就農者の独立自営就農を支援するため里親制度というのを実施しております。
地域とのつながりや経営基盤を持たない人の新規参入が円滑にし、その後の経営安定のつなげるための施策です。
里親は現役プロの農家で、登録制です。
登録された里親は、新規就農者の技術習得だけでなく、農地、住宅、農業機械の確保の他、就農後の相談まで、その地域で農業を始めるにあたっての必要な支援を自治体やJAなどの団体と共にサポートをしてくれます。
里親制度を利用しての就農は非常に多く、独立を目指す人にとって人気の選択筋の一つですね。
興味のある方は自治体などで実施をしている説明会などにまずは参加するのが良いと思います。
1日かけて制度やモデルケースの説明から、農家の見学や場合によっては同制度を利用して新規で農業を始めた人へ訪問して話を聞いたりなどが可能です。
また中には2日~1週間程度の長期にわたって体験などをさせてくれる自治体などもありますので探してみてください。
どの自治体の説明会に参加しようか迷っている方は下記の記事も参考になると思います。
いかがでしたでしょうか?
少しは未経験から農業を始めるにあたってのイメージが湧きましたでしょうか?
もし、そうであれば嬉しいです。
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それでは頑張ってください‼‼
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